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梅の湯物語
第7章 湯上がりラムネをご一緒に
雅人に案内されてレストランに入る。
緑の芝生に面した席に座った。
「普通に素敵なレストランですね」
「うん。ここ都内でも有名なレストランが出しているらしいよ」
「えっ、凄い」
店内には学生の他にも女性客やサラリーマンの姿も見える。
「誰でも入れるんですね」
「そうなんだ」
雅人はにっこり笑う。
運ばれてきた“定食”は本格的なデミグラスソースがかけられたハンバーグ。サラダと三種類のパンも添えられている。
「美味しそう」
桜はハンバーグを見て目を輝かせ幸せそうに笑う。
美味しいものの前では桜の不安も消えてしまいそうだった。
その笑顔を見て雅人は眩しそうに微笑んだ。
「美味しい~」
頬にエクボをのせてフォークをぎゅぅっと掴む。
「桜ちゃんその顔 反則だから」
苦笑いした雅人の手が桜の頬に近づく
雅人の長い指が桜の口端についたデミグラスソースを拭ってその指をペロリと舐めた。
その仕草に桜の胸が“ドキン”と跳ねる。
解けていた緊張がまた戻ってきて
ハンバーグをゴクリと飲み込んでしまう。