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FUJITAYA
第4章 好きになってしまう
それは、思いがけないタイミングで知ることになる。
私はこんな人のことが好きだったんだ……と。
休憩スペースから戻ろうとしたときに、ふと成本さんの声が聞こえた。
「いやぁ、それにしても、俺、婚約すべきじゃなかったかもな」
普段、滅多に話さないことから、砕けた話し方がイメージになく驚いたが、この声、そしてこの内容は成本さんで間違いないと感じて、聞き耳を立てていた。
前は、成本さんの姿や声を見たり聞いたりしただけで、心がキュンとしていたが、もう吹っ切れているのか、何も感じず、内容だけが気になっていた。
「まぁ、俺は鮫島さんの方がよかったと思うけどな~」
そんな時に私の名前がいきなり出てきたので、思わず声が出そうになり、口に手を当てて聞いていた。