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FUJITAYA
第4章 好きになってしまう
「どうだろな、ああいう女が一番めんどくせえよ」
それは頭を後ろから何かで勢いよく殴られたかのような衝撃だった。
「何かと手出してきてさ、料理とか結構食べたけど、ああいう彼女気取りの女が一番めんどくせぇ。まぁ、今揉めてる件片付いて、ある程度落ち着いたら、また相手しててやってもいいけど。めんどくさいの目に見えてるからな」
「相変わらずひでぇ良い様だな…」
「クリスマスも近付く頃だし。もう一回相手してやると、手作りのケーキに手作りのマフラーとか用意してきそう、まじでそれだったら重すぎ」
私はただただ気付かれないように、細心の注意を払って、自分の席に戻った。
帰ってきた私は顔を青白くなっていたらしく、周りの人にも心配されたが、ここで折れてちゃいけないと思い、必死になって仕事をした。自分の中に言葉では言い表すことのできないものが数多く渦巻いていて、口から何か出てきそうになり、考え出すと気分が悪くなってくる。
このままでは倒れるかもしれない、もう帰って休め、と周りに言いくるめられ、強制的に変える準備を整えられ、気付けばタクシーに乗って、自分の家まで帰ってきていた。