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FUJITAYA
第5章 送りたい相手
私はFUJITAYAに通い続けたおかげで、始めてから2か月経たずにマフラーを完成させそうになっていた。
編み続けていくうちに、最近好きかもしれないと意識している、藤田さん…要さんが何かプレゼントしてほしいみたいなことを言っていたことが頭に思い浮かび、何か新しく作るのにプレゼントしようかなと考え始めていた。
最初は成本さんのクリスマスプレゼントのために編み物を始めたけれど、先生や要さんが丁寧に教えてくれるおかげで、意欲的に、楽しく編み物をしている自分がいて、結構ハマっていた。
確かに始めた時はあまりいい気持ではなかったけど、今はすごく楽しんでいる。
これも先生と要さんのおかげだなぁと思い、いつものように会社が終わってから、FUJITAYAに向かった。
「こんばんは~。」
店に入り、いつも私が座る席に誰かがいることに気付いた。
服装や髪形を見る限り、時々一緒に編んでいるおばあちゃんではなさそうで、どちらかと言うと私と同年代のような雰囲気がした。
私に気付いた先生は、いらっしゃいと笑顔で迎えてくれたけれど、少し胸がざわついた。