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FUJITAYA
第5章 送りたい相手
席に近づいていつもの席の迎えに座ると、すごく綺麗な人が私を見ていた。
一言で言い表すなら「美」、本当にはっと息をのんでしまうほどの美しさだった。そして、また、笑った顔も、ステキ…
「初めましてですよね、私、大島っていいます。地元がここの近くで最近帰ってきたんです。時間ができたんでまた編み物を始めようと思って通ってて。ごめんなさいね、席いつもここですか?」
「いえ、特に決めてなかったんで大丈夫です。鮫島と言います…」
「鮫島さん、大丈夫だよ。気を使わなくてもこの人はほっといても編んでいくからね。」
「先生~、相変わらずひどいですよ!」
先生は大島さんのことを無視して私にどこまでできたか見せてくれるかと言っていたが、なんだかこういう2人の関係はすごくいいなと惹かれてしまった。
お互い知り合っている感じが少し羨ましくて、大島さんにほんの少しだけ嫉妬してしまった。
彼女を見た時に、胸がざわついたのはこのことだったかもしれないと思い、先生にマフラーを見てもらった。
実際、もう少し違うところでの心配をしていたが、気にしないように先生の話を聞いていた。