この作品は18歳未満閲覧禁止です
甘美な吸血〜貴方の餌になりたい〜
第12章 二人の関係
グラスの中で揺れる紅いカクテルを見ながら俺は、マスターに呟いた。
「ヴァンパイアの瞳って、こんな色でしたよね…。」
そんな俺のどーでもいい呟きに、マスターはフッと笑った。
「これは、私がしおりという名の女性に作ったカクテルなんですよ。お客様のおっしゃる通り、ヴァンパイアの瞳という名をつけました。」
しおり…。
その名前を聞いて、ふと顔をあげると、ニコッと微笑むマスターの八重歯が、紅く染まっていた。