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行こうぜ、相棒
第10章 This is the time

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二度目に柏木と寝た翌日、エリはまた柏木のホテルに出かけて行った。
日中は仕事で多忙だったが、夕食を一緒にとり、その日もまた彼の部屋に行った。
肌合いの良さが、自然とふたりを求め合わせた。
今夜もまた、電気を全て消してカーテンを閉めようとした彼に、
「すこし明かりを残しておいて。あなたが見たいの」
とエリは告げた。
彼は背中でその言葉を聞き、すこしためらった後、カーテンを開けたまま、部屋の照明を絞った。
ありがとう、とエリは言いながら彼の背中に抱きつき、両脇から入れた手で、喉元から順にシャツのボタンを外していった。彼の匂いと彼の体温が、急かすようにエリを掻き立てていった。
されるがまま、柏木はにその場に立っていた。
そしてエリは彼のシャツをはだけると、アンダーシャツも脱がせ、その広い背中をあらわにした。
盛り上がった筋肉が隆々とそびえるような背中。そこには、あの日見た、モンステラの刺青が、右の肩から肘にかけて、二の腕を取り巻くように描かれていた。
エリはその刺青に、人差し指を触れる。
禍々(まがまが)しくも見える熱帯植物の紋様をなぞりながら、
「――なぜこんな不思議な刺青を?」
と問うた。そして彼の肩の素肌に口づけした。ほの暗い部屋の中に、エリの口づけの音が静かに響いた。

