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行こうぜ、相棒
第12章 Up Where We Belong
柏木は、出されたメニューを全てきっちりと平らげた。ひとつひとつのおかずを愛おしむようにゆっくりと噛んで味わっていた。
「こんなに朝から腹いっぱい食うのは久しぶりだ」
「ここですっかり太っていけばいいのよ。フォアグラのようにうんと太らせて、後で美味しくいただくわ」
ふたりは笑って、食後の麦茶を飲んだ。
こんな風に毎日誰かに食事を作ってあげることのシンプルな幸福を、エリは生まれて初めて味わっていた。そのうま味は、どんな豪華な食事でも感じたことのない味わいだった。
目を閉じると、幸せに胸がつまりそうになるから、エリはことさらに笑っていた。