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行こうぜ、相棒
第8章 Walk Between Raindrops

「くぅ…っ……」
その締め付けの甘美さに耐えきれず、ヤマギシがうめき声をあげる。
そして彼のペニスが、エリの膣のなかで一度、引きつけるようにピクリと動く。すでに敏感になり切っている膣内(なか)をそんな風に刺激されて、エリもまた、身体を反らせてしまう。
キスからつづくさざ波のような快感が、性器でつながったふたりの身体のなかで何度も波紋を広げてゆく。肌が溶け合い、互いの身体の境界線が失われてゆくような快楽。意識を超えて、身体が共鳴する感覚。
鋭い頂点のようなエクスタシーではなく、なだらかな山なりが続くような絶頂感を、ふたりは味わっていた。
ヤマギシはエリの通うジムの、ヨガのインストラクターだ。エリより少しだけ年上の既婚者。
ふたりがこうしてセックスをするようになって半年が経つ。そこに恋愛感情は全くなく、エリもヤマギシも不倫という意識はほぼない。
ただ異様に身体の相性の良い同士、他では味わえないような性の試みを実験するパートナーだった。
食事をしてからのホテルとか、時に人目を忍んでの温泉旅行など、いわゆる婚外恋愛のような儀式は全く不要だった。互いの都合が合えば、郊外のラブホテルで何時間かを過ごす。それもインストラクターと馴染みの生徒のように、親しく口をききながら、睦(むつ)み合うのだった。

