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行こうぜ、相棒
第8章 Walk Between Raindrops









オレンジ色の夕暮れ前の陽射しが、パティオに深く、斜めに差し込む。
そこに淡い夕立が降り始める。
幾千幾万もの小さな雨粒が、陽射しを受けながら金色にきらめく。その雨滴は、パティオのプールに落ち、さざめく波紋となって水面をいくつも波立たせる。

プールの向こうにはエレベーターがある。
そこに受付台があり、このレストランの正門となっている。
まだ開店前の受付には人気がなく、ただ突然の夕立に濡れていた。
その向こうで、エレベーターの扉が音もなく開く。
そして、背の高い、スーツ姿の男が現れた。

エリは席を立つ。
パティオのプールを挟んでこちら側と向こう側で、ふたりの目があった。
エリは片手をあげる。
男は軽く頷くと、上着を頭の上にかぶる。
そして金色の雨をよけるように首をすくめながら小走りに駆けだす。プールサイドの脇を。エリに向かって。

エリの元にたどり着くと、彼は笑顔を見せた。

「よく俺の連絡先が分かったな」



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