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行こうぜ、相棒
第9章 Want your body
ほんの15分前、部屋に入った時、照明をつけぬままエリを抱きしめたのは柏木の方だった。しばらくの抱擁の後、彼は窓のカーテンをすべて締め切った。
「何も見えないわ」
そういうエリに柏木はその手をとり、慣れた部屋を歩くようにベッドへ彼女を導いた。
「今日はこのまま、この暗闇のなかで君を抱きたい」
柏木はエリの衣服を脱がせながら、穏やかな声でそう言った。
真夜中近い時間に、視界を全く奪われた状態で、エリは彼を受け入れていた。目を開けても見えるのはかすかな彼の身体の輪郭だけ。目を閉じても世界はさほど変わらない。
すべての着衣を脱がされ、柏木もシャツを乱雑に脱いだ。
ふたりはベッドに倒れ込むと、肌と肌を合わせた。それだけで身体が反応し、吸い付くように互いの素肌が交わった。
目を閉じて、自分の肌の感覚を解き放って、エリは彼を感じていた。
二度と訪れないと思っていた機会を奇跡にしないために。