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甘い時間は2人きりで
第8章 デート
意を決して、春人に伝えたかったことを口にする。
「昨日はごめんね、すぐ返事出来なくて。本当は春人とのデートすごい楽しみにしてたよ…だから…」
「……!」
突然、綺麗にセットした髪を乱す勢いでワシャワシャと撫でられた。
「ちょっと、せっかく綺麗にしたのに…」
「ごめん、嬉しくてつい。茜さんと出掛けるの初めてやから、俺もめっちゃ楽しみ。それじゃ行こっか?」
ーーーーーーー
しばらく走っていると、首都高速に乗った。
「どこ行くの?」
「神奈川。俺がよう行く秘密の場所があるんよ」
「どんな場所?」
「行ってからのお楽しみー」
車窓から流れゆく外の景色を眺める。
車で出掛けるのって、ここ数年は社員旅行くらいだったから、外を見るだけでも楽しい。
「茜さん、今のうちに寝ててもいいよ」
「…なんで?」
「全然眠れやんかったやろ?寝返りすごい打ってたもん」
昨夜は、遠足を翌日に控えた小学生みたいになかなか寝付けなかったのは事実。
アレは高校の頃に治ったと思ってたのに…
寝付けずゴロゴロしてたのに気付かれてたんだ。