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甘い時間は2人きりで
第12章 仲直り?
駅までで良かったのに、私が住むアパートまで送ってくれることになった。
「………」
車内で父と2人っきりなのは、久しぶりかも…
何を話せばいいのか分からない…
パパは何も話さないし…
気まずくて、窓からの景色を眺めていた。
「茜、山岡さんはいい人だな」
「…うん」
「茜より年下だが、しっかりしてる。あの人なら茜を任せられる」
「えっ、ちょっ!」
まさか春人、結婚の挨拶をパパにしたの!?
「えっ、何!?『娘さんをください』的なこと言ったの!?」
「いやいや、言ってない。昨日話して感じたことだ」
「なんだ…」
驚きで起き上がった身体を、再びシートに身を沈めた。
「茜と向き合うきっかけをくれたのは、山岡さんだ」
「春人が?」
「ああ…茜には小さい頃から苦労を掛けた…母親を早くに失くして二人暮らしになった時には、小さいながらに家事を覚えていった。休みの日にどこにも連れて行ってやらず、楽しい思い出を作ってやれなかった」