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甘い時間は2人きりで
第12章 仲直り?

「…新しい家族が出来て、茜は俺たちに遠慮するようになった…家でも気を遣って。茜も大切な家族なのに…」

藍さんと私を会わせた時に見せた笑顔。
幸せそうに笑うパパを見たのは久しぶりだった。
その笑顔を見ていたかったから、私はなるべく2人の時間を優先してもらった。

「…ここ数年だ、自分の人生を振り返る時間が出来てな…気付いたんだよ。茜との、2人だけの時間が全く無いのに気付いたんだ…」
「パパ…」

そうだ…
2人きりで生活してる時も、気を遣って休みの日には家事を集中して行って、外に遊びに行って出来るだけ父がゆっくり休める環境を作ってたんだ…

「その環境に甘えてたんだ…その結果、茜は俺たちから離れてしまった…やり直す努力は母さんはやったのに、俺は出来なかった…

会いに行こうと思えば、拓也くんを介して出来たはずなのに…茜と向き合うのが怖かった。
もし、俺を否定されたらと思うとな。お前はそんな子じゃないのに…

今回、実家に泊まると聞いて、心の底から嬉しかった。
このチャンスを逃してはならんと。
だけどな…いざ、茜から連絡があった時、どう向き合えばいいのか分からなくなった…



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