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甘い時間は2人きりで
第16章 甘い蜜
コテで食べやすい大きさに切り分け、お箸で摘んで口に運ぶ。
…私が作るやつと味が全然違う!?
作る時の工程一緒なのに…
これが関西の味か!?
「美味しい!」
「ホンマに。良かった」
「お店で食べるのより美味しいよ」
「ふふっ、ありがとう」
久しぶりのお好み焼きが美味しくて、お酒も進む。
CSの音楽番組を眺めていると、夏フェス特集が流れていた。
「いいなー。私もフェス行きたかった」
「チケット取らんかったん?」
「んー、スケジュール的に行けないとこが有ったし。取ろうとした時には、もう売り切れってとこが多かったの…山中湖のフェス行きたかったな」
山中湖で開催される大型フェスは、毎年多くのファンが参戦する。
私もBlue Eyesが出演する日のチケットを取ろうとしたが、抽選で落選してしまった。
「来てくれるのは嬉しいけど、茜さんには怪我して欲しくないなー…」
「何で怪我なの?」
「んー、バンドの演奏に合わせて、ファン同士揉み合ったり、ダイブしたりする人も居てるから結構危ないねん。俺らの曲にも、モッシュが起きる曲あるし」
春人曰く、ステージに近いほど危ないんだとか…
「そういう曲演奏した方が、会場は盛り上がるんやけどね…」