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甘い時間は2人きりで
第16章 甘い蜜
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「ふふっ、そんなに嬉しかったん?」
「…だって」
子どもの頃は父を気遣って、どこかに出掛けることが無かった。
だから、遠足や修学旅行の日程が決まった日から、凄くワクワクしていた。
雨で中止になった時は、テンションが下がり、数日引き摺るほど。
それは今も同じで、年1回の社員旅行でも、前日にソワソワして寝付けなくなる。
出掛ける前は子どもみたいになってしまう。
「可愛い…一緒に来てくれるって事でいい?」
「うん」
「俺も嬉しいよ。茜さんと観光したりするの」
触れるだけのキスをされると、首に腕を回して、それを受け入れる。
唇が離れると、こっちが蕩けそうな笑顔を見せてくる。
「今日の茜さんは素直やね…」
「…ちょっと酔ってる?」
「好きな人と飲む酒は美味いから。チューハイもらっていい?」
こっちの返事を待たずに、お酒を口に含んだ。
そのままキスをされて、舌と一緒にお酒が入り込んでくる。
口内に注がれるお酒は全て飲み干せず、口の端から溢れた。
それをねっとりと舌で掬われ、濡れた唇をいやらしくひと舐めした。
「ごめん、濡れちゃったね。服脱ごっか?」
「待って、片付け…」
「ん、俺が後でするから…それよりも、こっちに集中して…」
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