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甘い時間は2人きりで
第3章 酔って愛して

その言葉で余計彼女の表情を暗くしてしまった。
あー、こんな言葉を言いたかったわけじゃないのに…
『もっと俺に頼ってよ』って男らしく言うつもりやったのに…

「茜さんごめん。別に怒ってるわけちゃうから。茜さんのこと心配で…」
「分かってるよ、ごめんね春人。春人に変な心配かけたくなかったから、言えなかったの。ごめん」

深く頭を下げ、顔を上げると表情は少し明るくなっていた。

「今年入ってきた子の教育係をしてるんだけど、今日その子がミスして、上司に注意されたんだけどね。私が上手く説明出来なかったせいなの。落ち込んでるその子に謝った時に『長野さんのせいじゃないですよ』って言われて、余計に申し訳なくなって…」

「そうか…」

こういう時は、どう言って慰めたらいいのか…

「…誰でもさ、失敗はあるよ。茜さんも新人の子もあんまり気にせんで、次に繋げていったらいいんちゃう?」
「……」
「ごめん、余計なこと言った?」
「ううん。そうだよね、一つのことでクヨクヨしてたら進まないもんね。ありがとう」
「あ、ああ…」

どう響いたんか分からんけど、元気になって良かった。



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