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甘い時間は2人きりで
第17章 お祝い
「なんでスーツなの?」
「食事する店が、格式高いとこやからね」
格式高い店って、高級なお店…?
春人の様子からしても、行きつけでは無いようだけど…
オシャレなフランス料理店に行く…とか?
まぁ、春人にとっても大事な日だからね…
どこに行くのか考えていると、私が想像してた場所とは違うところに到着した。
「……」
「予約してた山岡です」
「山岡様ですね、お待ちしておりました」
どうしよ、緊張する…
到着したのは、都内でも有名な高級ホテル。
外から眺めることはあっても、このホテルに入ることなんて無いと思ってた。
のに…
「す、凄い…」
「茜さん大丈夫?」
「ハッ!?」
内装が豪華過ぎて、キョロキョロと見渡してしまった。
「ふふっ、びっくりした?」
「そりゃ…もう」
「思ってた通りのリアクションありがと。はい」
差し出された手を掴もうとして、躊躇ってしまった。
知り合いに見られたら、春人のことがバレて危ないからだ。
「ふー、今の俺は何に見える?」
「えっ、会社員?かな…」
「やろ?誰も『Blue Eyesのハル』って気付いてないから大丈夫。ほら」
「…ありがとう」