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甘い時間は2人きりで
第20章 イメチェン
「そもそも、春人さんはボーカルじゃなかったんですよね?」
涼「もともと僕がボーカルをやってて、ハルはギターやったんですよ。光ちゃんがベースで入ってもらう条件として『ハルがボーカルをやる』っいうのがありましたね」
光「加入する以前に、ライブで春人が歌ってるのを聴いたことがあったんですね。一曲だけですけど、それがカッコ良かった。本人は声にコンプレックスを抱えてたみたいですけど、俺は良いと思ったんですよ」
光「提案したら初めは嫌がってましたけど、『お前は大多数に否定されると歌わないのか?俺みたいな少数派の意見は聞かないのか?否定する奴らを見返す力はお前にはある』って言い続けました。その頃から春人が作詞作曲してて、曲が凄く良いっていうのは、他のバンドをやってた僕からしても分かってたんですよ」
「涼介さんはどうでした?」
涼「うーん。正直悔しかったけど、このまま僕がボーカルをやってたら、多分ここまで来れやんかったかな?ハルの歌声はクセがあるけど、耳に残りやすい。僕は声が少し高いんで、僕がコーラスで重ねたら凄い綺麗に聴こえるんですよ」