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甘い時間は2人きりで
第21章 冷たい視線
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会社近くの本屋で、私はある本を読んでいた。
ここ数日で神経をすり減らされて、気を張ってもう限界だった…
「………」
「…茜ちゃん」
「うわぁぁぁ!」
いきなり肩を叩かれ、鞄で後ろの人を殴ってしまった。
殴ってしまった相手は空くんだった…
「そ、空くん!?」
「ど、どうしたの!?」
「ごめんね!大丈夫?」
「ん、大丈夫だよ…」
にこやかに頬をさすりながら、私が読んでた本を覗き込もうとした。
「何真剣に読んでたの?」
「う、ううん、何でも。空くんは…?」
「俺?好きなマンガの最新刊が出たから、買いに来たんだ」
「そっか…」
その時、どこかから送られる冷たい視線…
キョロキョロするも、視線の相手が見当たらない。
「良かったら、送って行こうか?」
「ほ、本当に!?」
「あ、うん…茜ちゃんはいいの?彼氏じゃないのに送って…」
「お、お願い!」
「…分かったよ、じゃあ行こっか」