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甘い時間は2人きりで
第21章 冷たい視線
「おっちゃん珍しいやん。どういう風の吹き回し?」
「別に。ただ、今の状態で下手なライブをされるよりマシだからな」
「ふーん。飲酒してなくて良かったね」
車が走り出すと、身体が震え出した。
最悪の事態を考えてしまい、顔も強張ってしまう。
「茜さん…」
「…ハル大丈夫やって。ほら、ドラマでもあるやん。相手が深刻そうに電話してきたけど、実は軽い怪我やったとか…」
「そうやといいな…」
俺を気に掛けて、涼介が色々と話しかけてくれたが、頭に入ってこなかった。
病院に着くまでの時間がとてつもなく長く感じた。
「そろそろ着くぞ」
「今の時間って入れんのかな?」
「さっき茜さんの友達に連絡しといた。入り口で待ってくれてるって…」
病院に着くと、美咲さんが入り口に立っていた。
「山岡くん!」
「茜さんは!?」
美咲さんの肩を掴むと、秦野さんに引き離された。
「春人、落ち着け」
「あの…」
「ああ、Blue Eyesのマネージャーをしております、秦野と申します」
「友人の小谷 美咲と言います…」