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甘い時間は2人きりで
第21章 冷たい視線

挨拶もそこそこに、茜さんが居る病室まで案内してもらった。
部屋の前には茜さんのご両親が医者と話していた。
お母さんはお父さんに肩を抱かれて、泣いていた。

ま、まさか…

「あ、山岡さん」
「ご無沙汰してます…あ、茜さんは…」
「…命に別状は無いらしい」

その一言で、強張っていた身体の力が抜けてその場にへたり込んだ。

よ、良かった…

「は、ハル…」

顔面蒼白の涼介が病室の茜さんを指差した。
ベッドの上の茜さんを見て、血の気が引いた。

身体の至る所に包帯が巻かれ、顔にガーゼや包帯が見える。
酷いのは右手で、骨折したのか分厚く包帯が巻かれていた。

「車内で聞いてたものより酷かったな…」
「な、なんで…誰がこんなことを…」

茜さんをこんな状態にした犯人に怒りが込み上がってきた。
右手に力が入り、手の平に爪が食い込む。

「…茜、最近誰かに付けられるって言ってた」
「はっ!?」

茜さんからそんな話聞いてないぞ!?




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