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第21章 冷たい視線

再び震え出した彼女。
あの時の恐怖はハンパなかったんやろうな…

「…1人になったら、ドアが開いてあの人が来そうで怖いの…お願い…」
「もちろん。茜さんを1人にしやんから…」
「春人…」

ギュウウ…

「春人、痛い…」
「あ、ごめん…」

彼女を守ろうとして、無意識に抱き締める力が強くなっていた。
目が合って、しばらく見つめ合い、おでこにキスを落とした。

鼻にもキスをして、ガーゼで覆われた頰にも唇を寄せた。

「痛かったやろ？怖かったやろ？ごめんな…何も気付いてやれやんくて…」
「そんなこと無い…私もごめんなさい。春人に内緒にしてて…」
「俺も今ツアー中で、話聞いてあげる事しか出来やん。でも、話聞けば解決策を一緒に考えるし、悩みを軽くしてやろうって思うし…こういう深刻なことは1人で抱え込まんといて…俺との約束な」

おでこを重ねて目を見て言うと、茜さんは目を潤ませて頷いた。

「うん…春人、来てくれてありがとう…」
「うん…指切りの代わりに、茜さんからキスして」