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甘い時間は2人きりで
第21章 冷たい視線

「茜さん大丈夫か!?ハルに負担かかるようなことされてない!?」
「…大丈夫です」
「ああ…可哀想に。包帯とガーゼまみれになって…痛いやろ?」

布団からはみ出てた手を握り締めて、涼介は泣きそうな顔をしている。

「…何で涼介さんまで」
「えっ?そりゃ心配やからに決まってるやん!」
「…そっか、ありがとうね」
「いいよー。顔もこんなに腫らして…美人さんが台無しやん」

布団から顔を覗かせた茜さんの頰を触りだした。
おい、いくら心配でもお触りが過ぎるぞ…

「あ、の…涼介さん痛いから」
「あ、ごめん…」

涼介を睨んでいると、秦野さんに呼ばれた。

「そろそろ山梨に戻るぞ」
「まだ待ってください。彼女のご両親が到着するまで待っときたいんですよ」
「早く合流しないと大阪に着く時間が遅れるぞ」

次の公演がある大阪まで距離があり、早く到着しないといけないのは分かる…
ただ、この状態の茜さんを放っておける訳ない。

「お願いします。彼女、今凄い怯えてて、このまま1人になんて出来ないんです!」




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