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甘い時間は2人きりで
第21章 冷たい視線

「ここのスタッフじゃダメなのか?」
「顔知ってる人の方が安心すると思うんすよ。それに少しでも傍に居てあげたいんです、だから…」
「…分かった。向こうには先に大阪に行くように伝える」
「ありがとうございます!」
深々と頭を下げると、「そんなことすんな」と言って、タバコを吸いに行った。
涼介達が来てから、5分ほどで茜さんのご両親が病院に駆けつけた。
「茜ちゃん!!」
涙で顔をぐちゃぐちゃにしたお母さんにキツく抱き締められた。
「あ、藍さん…」
「こんな、こんなになって…痛かったでしょう?」
「うん…」
「良かった…」
お父さんは茜さんの元に行かず、俺の方へ寄ってくれた。
「山岡さん、ありがとうございました」
「いえ…」
「聞けばツアー中なんですってね…わざわざ来て下さって、すみません…」
「そんな!僕も茜さんの容態が気になってたんで。謝らんといてください」
秦野さんと目配せしてきた。
今の茜さんと離れたくないけど、仕方ない…
「茜さん、お父さん達来はったから、俺そろそろ行くな…」
「……」

