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甘い時間は2人きりで
第21章 冷たい視線
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「……」
春人、行っちゃった…
お父さん達が居るのに、一気に不安が押し寄せて来た。
「はぁ、はぁ…」
「茜、大丈夫か!?」
「う、うん…」
胸元に被せられた上着を、辛うじて動く左手で握り締めた。
微かに香る春人の匂いに、少しだけ気分が落ち着いた。
起き上がろうとすると、身体に痛みが走り、力が入らない…
左手も持ち上げられず、身体が思うように動かせない。
「く、ううっ…」
「茜ちゃん、無理して起き上がろうとしたらダメよ。お医者さんが安静にって…」
「はぁ…」
しばらくすると、看護師さんがストレッチャーを押して入ってきた。
「長野さん、これから検査を行おうと思うのですが、体調等はよろしいですか?」
「は、はい…」
看護師さんに起き上がらせてもらい、ストレッチャーに移った。