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甘い時間は2人きりで
第21章 冷たい視線
口の前に差し出されたリンゴを、おずおずと一口かじった。
「美味しい?」
「…うん。この歳で誰かに食べさせてもらうなんて…」
「うふふ、たまにはいいじゃない?」
リンゴを食べていると、お父さんが持ってる紙袋が目に付いた。
「お父さん、それって?」
「ああ、美咲ちゃんから荷物を預かってたんだ」
藍さんが受け取った袋の中身は、肌着やパジャマ、下着類だった。
「午前中は用事があるから、昼頃に来るそうだ。茜の意識が戻ったことを伝えたら、泣いて喜んでたよ」
「そっか…後でお礼言わなきゃ」
コンコン…
扉のノック音にビクリと反応してしまった。
この扉の先にあの人が来てたら…
「…茜ちゃん、大丈夫!?」
「うん…大丈夫…」
「大丈夫よ。茜ちゃんが怖がることなんて無いんだから」
お父さんにノックをした相手を確かめてもらった。
「茜、警察の方がいらっしゃってるぞ」
「け、警察…?」
「事件の事を詳しく聞きたいらしい。どうする?無理なら…」
「大丈夫…入ってもらって…」