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甘い時間は2人きりで
第21章 冷たい視線

男女2人組が入ってきた。
女性はスーツで、男性は制服を着ている。

「生田と申します。娘さんに昨夜のことを伺いたいのですが…」
「茜、大丈夫か…?」
「はあ、はあ…」

昨夜のことを思い出し、息が上がってしまった。

「体調が優れないようですので、また後日寄らせていただきます…」
「いえ、大丈夫です。せっかく来ていただいたのに、お話します」

息を整えて、ゆっくり深呼吸する。
藍さんが「大丈夫」と言いながら、優しく背中をさすってくれた。

ーーーーーーー

玄関を開けると、目の前には黒ずくめの男性が立っていた。
よく見ると、荷物らしきものは持っていない。

『あの…』

顔を見上げた瞬間、絡んだ視線に血の気が引いた…

こ、この人…ずっと付けてた…

扉を閉めようとしたら、足を挟まれて閉じられなくされた。
男性の力に敵う筈も無く、扉をこじ開けられて、部屋に侵入された。

不敵な笑みを浮かべ、口元は歪んでいるが目が笑っていなかった。



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