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甘い時間は2人きりで
第21章 冷たい視線

『な、何ですか…警察呼び…』

その瞬間、左頬を思いっきり殴られ、後ろに倒れ込んだ。
這いつくばって逃げようとするが、すぐに捕まって今度は右頬を殴られた。

倒れた衝撃でテーブルに左腕をぶつけて、ぶつけた部分に焼けるような痛みが走った。

倒れてるところに、右腕を力任せに踏みつけられた。

『あがっ!!』

左腕よりも激しい痛みが襲い、目の前がチカチカと瞬いた。
胸ぐらを掴まれ、何発も殴られた。

男は何か喋りながら殴ってきたが、意識が朦朧として何を言ってるのか分からなかった。
お腹にも拳を入れられ、思いっきり蹴られもした。

首を両手でグッと押さえつけられた。
首が圧迫され、息が出来なくなった…

『か、あっ…』

痛む両手を動かし、左手で掴んだボールペンで必死に男の手を刺していた。
意識が落ちそうになった瞬間、インターホンが鳴り、扉を力強く叩く音がした。

『長野さん、大丈夫ですか!?警察呼びましたよ!!』

その言葉で男は急いで離れ、お隣さんを突き飛ばして部屋から出て行った。
助かったという安堵と身体中の痛みのせいで、徐々に意識が遠のいていった…



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