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甘い時間は2人きりで
第22章 犯人

その夜…

ガタン…

「だ、誰なんで…うぅっ!?」

バタン…

「っ……!」

寝ていたら、いきなり身体を押されて、ベッドから落下した。
落ちた衝撃で、背中に激痛が走る。
痛くて、呼吸が出来ない…

目を開くと、ベッドの脇に男がニヤニヤしながら立っていた。
その後ろに藍さんが倒れていた。

「やっと見つけた…僕から逃げようなんていい度胸してるね」

睡眠薬のせいか、頭が回らない…
回らない頭でも、1つ分かることがある…
この人はストーカーで、私を怪我させた男!

「ここに入り込むのにも苦労したよ。人の出入りが激しくて、男手が居なくなった隙を突かせてもらったよ」
「……」
「君ってそんなに知り合い多かったっけ?結婚して全部断ち切らせた筈なのに…」

「…わ、私、あなたのこと、知りません…」
「………!!」

男は顔を歪ませて、近くの椅子を蹴り上げた。

「出て行ってからたった半年しか経ってないのに、僕のことをもう忘れたのか!」

出て行ってから!?
さっきから何言ってるの…?

身体が動かせず、声も出せない…

「君と離婚させられて半年…この前ようやく見つけたと思ったら、あんな若い男と…だから、ついカッとなって、殴っちゃったよ…」




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