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甘い時間は2人きりで
第22章 犯人
男は薄気味悪い笑みを浮かべて、私にゆっくりと近づいてくる…
「そういえば、離婚させられた原因もDVだとか言われたっけ?酷いな…アレは君を完璧な奥さんにする為の躾じゃないか…」
「……」
「久しぶりに見て驚いたよ。あの『神崎ホールディングス』に入社してたなんて。あの大手なら給料も沢山もらってるんだろ?でも、偽名にしてまで働くのは良くないんじゃないの?君は『茜』じゃなくて『聡美』だろ?」
この人、私のこと別れた奥さんだと勘違いてるんだ…
「そうだ、こうやってまた会えたんだ…あの男のことは水に流してあげるから、やり直そうよ…」
「やっ…」
「拒否出来る立場?君の親戚かな?アイツがどうなってもいいの?」
首筋に指が這い、親指でグッと押される。
こ、殺され…
「さあ…」
「だ、だ…」
「あ?」
「誰かーーー!!!」
「…!?」
いきなり大声を上げて、男は一瞬怯んで首から手を離した。
その隙に痛む身体を起こして、手当たり次第に物を投げまくった。
「うぅ、こいつ…!」