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甘い時間は2人きりで
第22章 犯人

コップを投げようと左腕を振りかざした瞬間、脇に激痛が走って、蹲ってしまった。
男が近づいてきて、頰を強く叩かれて床に倒された。

「舐めた真似して…君はいつも僕を苛立たせるね…言う通りにしていれば、殴らなかったのに…」
「わ、私はあなたの奥さんじゃ…ぐっ!」

バシッ

「確かに離婚したから、僕の奥さんじゃないよね」

この人、こっちの言う事が聞こえてないの…?
もう立ち上がる気力も残っておらず、男に担ぎ起こされた。

「や、止めっ…」
「騒いだところで誰も来なかったね。ナースステーションまで結構距離あるし、防音もしっかりしてるみたいだし…運が無かったね」

身体を捩って逃げようとしても、男がガッシリと掴んで離さない…

「こんなことして、警察に捕まる…」
「警察の足が付かないように海外に行くから大丈夫だよ。それにここで誰かに阻まれてもスタンガンで気絶させれば良いし…」

男が扉を開けると、目の前に人が立っていた。




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