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甘い時間は2人きりで
第22章 犯人
「あっ、は、はる…」
月明かりに照らされていたのは、明日帰ってくるはずの春人…
何で、春人がここに…?
「ちっ!」
男がポケットからスタンガンを取り出すと、春人に押し当てようとした。
「あ、危な…!」
いきなり横から手が伸びてきて、男の手首を掴んだ。
横を向くと、お父さんより年上に見える男性の手だった。
「おい、離せ!」
相当な力で握られてるのか、男が手を捻ってもビクともしない。
「くそっ!僕はただ妻を連れ戻しに来ただけなのに!」
「うわっ!」
私は床に投げ捨てられ、腰を打ち付けた。
すぐに春人が駆け寄ってくれた。
「いっ…」
「大丈夫!?」
「オラァ!!」
男はサバイバルナイフを取り出して、男性に切りかかった。
「危ない!!」
「フン!」
男性はナイフをかわし、男の手首と二の腕を素早く掴むと、投げ飛ばした。
床にぶつかり、男がもんどり打ってる間に後ろ手に手首を掴んだ。
「涼介ー、お前のイヤホン貸せ!」
「えー、そいつ縛るつもりなんやろ!?嫌や!」
「もっと良いの買ってやるから、早く!」