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甘い時間は2人きりで
第23章 久しぶりの2人の時間
6時前に春人が車で迎えに来てくれた。
私が出ると、皆が玄関前まで出てきた。
「山岡さん、こんばんは」
「こんばんは」
「娘の事、よろしくお願いします」
「はい」
車に乗り込むと、家族総出でお見送り。
もし近所の人に見られたらどうするんだか…
「もう、何も皆でお見送りしなくても良いのに…」
「ふふっ、初めて彼氏が家にデートのお迎えに来たんやから、ちょっと心配したとか?」
「あ、そうだ。はいこれ」
カバンから、ラッピングした小袋を出して春人に渡した。
袋の中身は胡桃とチョコチップ入りのパウンドケーキ。
「これ、お母さんに手伝ってもらって焼いたの。もし良かったら、食べて?」
「おお、いただきます」
…今食べるの!?
「うん、うん…美味い!茜さん、美味しいよ」
「良かった…」
「茜さんも」
一切れ差し出され、口に運んだ。
「…まあまあかな?」
「自分には厳しいな…そこも茜さんのええとこやけど?じゃあ、行こっか?」