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甘い時間は2人きりで
第23章 久しぶりの2人の時間
信号で止まると、春人が私の服をしげしげと眺めてきた。
「…茜さん、ちょっと薄着じゃない?」
「そう?」
「うん。食べに行くとこ港に近い所やし、食べ終わってから近く散策しようと思ってるんよ」
コートはあるけど、袖口が狭いのでギプスが通らないから、着てこなかった。
それを伝えると、車線変更して港とは別方向に向かった。
「え、春人!?」
「茜さん、ちょっと買い物するわ」
しばらくして着いたのは、ショッピングモール。
春人の後を付いて行くと、女性服を扱うブランドのショップへ。
春人は何着かコートを手を取ると、私の身体に当て始めた。
「紺色は、うーん…違うな。白やったら、この色の方が合うか…」
「あ、あの…」
「うん、茶色にしよ」
あっという間に会計を済まして、紙袋からコートを取り出した。
「はい、退院祝い」
「えっ!?いや、悪いよ」
「もう買っちゃったから、ほら着てみて?」