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甘い時間は2人きりで
第23章 久しぶりの2人の時間

「綺麗…私、今日初めてここの観覧車に乗った」
「えっ、そうなん!?家から近いのに?小っちゃい頃来たりとか…」
「うん」

小学校に上がる前に横浜に移り住んでから、多忙な父に気を遣って、休日は出掛けたいとワガママを言ったことが無かった。
小学校の遠足で何度もコスモワールドに来たけど、観覧車に乗りたいとは思わなかった。

その後は乗る機会も無いまま、今日に至ったわけ。

「好きな人と観覧車に乗るのって、凄いワクワクするんだね。春人のお陰でこんな綺麗な景色も見られて嬉しいな…」

夜景をスマホに収めていると、後ろから抱き締められた。

「あっ…」
「俺も嬉しい。茜さんの初めてを俺が奪えて…」

嬉しそうに首元に擦り寄ってくる春人が可愛い…

「…後ね、誰かと一緒に乗ったのも今日が初めてだよ」

頭を撫でながらもう一つの初めてを告げたら、身体を春人の方に向けて、顔のあちこちにキスを落とした。
唇が離れると、春人は切なそうに目を細めた。

「…ああ、帰したくないな」



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