この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
甘い時間は2人きりで
第23章 久しぶりの2人の時間
「綺麗…私、今日初めてここの観覧車に乗った」
「えっ、そうなん!?家から近いのに?小っちゃい頃来たりとか…」
「うん」
小学校に上がる前に横浜に移り住んでから、多忙な父に気を遣って、休日は出掛けたいとワガママを言ったことが無かった。
小学校の遠足で何度もコスモワールドに来たけど、観覧車に乗りたいとは思わなかった。
その後は乗る機会も無いまま、今日に至ったわけ。
「好きな人と観覧車に乗るのって、凄いワクワクするんだね。春人のお陰でこんな綺麗な景色も見られて嬉しいな…」
夜景をスマホに収めていると、後ろから抱き締められた。
「あっ…」
「俺も嬉しい。茜さんの初めてを俺が奪えて…」
嬉しそうに首元に擦り寄ってくる春人が可愛い…
「…後ね、誰かと一緒に乗ったのも今日が初めてだよ」
頭を撫でながらもう一つの初めてを告げたら、身体を春人の方に向けて、顔のあちこちにキスを落とした。
唇が離れると、春人は切なそうに目を細めた。
「…ああ、帰したくないな」