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甘い時間は2人きりで
第27章 それぞれのお正月
テレビには駅伝の模様が映し出される。
毎年観るのは駅伝なんだそう…
「明日ね、私の実家に挨拶に行くんだけど…茜ちゃんもどう?」
「えっと…」
藍さんの両親や親戚の人はお父さんと弟には優しい。
だが、父の連れ子である私には皆何処か気まずい感じがしていた。
優しいんだけど、どう扱っていいか分からない空気が伝わってきていた。
正直言うと、苦手…
それに10年近く経って今更挨拶に言っても…
「ごめんなさい、私行かない。留守番してるから皆で行ってきて」
「分かったわ。ごめんね…茜ちゃんに気を遣わせちゃって…」
「ううん、長いこと行ってなかったから、どんな顔したらいいか分かんないから」
お昼過ぎ、美咲と初詣に行くために準備をする。
「行ってきます」
家から徒歩10分くらいの場所にある小さな神社。
石造りの鳥居の前で美咲を待つ。
「あかねー、お待たせ」
「ううん、ちょうど来たとこ」