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甘い時間は2人きりで
第27章 それぞれのお正月
旦那さんも一緒だって聞いてたけど、辺りを見渡しても美咲の旦那さんの姿は見えない。
「…旦那さんは?」
「ヒロくんだったら、近くの喫茶店に居るよ。『2人でゆっくり参拝しておいで』だって」
住宅街の近くにある神社のため、親子で参拝してる人が多く見られる。
入り口近くで甘酒が振る舞われており、それを片手に境内を散策する。
「旦那さんの実家ってこの近くなんだね」
「そう、茜の近所!結婚してからは初詣はここに来てるんだ。こじんまりしてるけど、趣あるよね」
「うん」
久しぶりの神社は、昔と変わらない佇まいを見せてくれて、懐かしい気持ちになった。
子どもの頃、何となく1人になりたい時によく木の幹に寄りかかって、本を読んでたな…
「そろそろお参りしよっか」
思い出に浸っていると、美咲の声に我に帰った。
賽銭箱に10円を投げ入れ、お願い事をする。
(今年も皆と仲良く過ごせますように…あ、あと、ストーカーに襲われませんように!)
「茜大丈夫?顔凄いことなってる…」