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甘い時間は2人きりで
第29章 2人きりの旅行
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普段と違う場所のためか、心臓がドクドクし始めた。
「長い時間一緒に居られるの久しぶりやね」
「う、うん…」
「緊張してる?」
「そんなこと…」
「こっち向いて」
春人の方へ身体を向けられ、顎をそっと持ち上げた。
そのまま頰に手を添えて、触れるだけのキスをしてくれた。
間近に春人の顔が来て、体温が上がって脈打つ速度も上がる。
「俺、今日めっちゃ楽しみにしてた。茜さんと2人で旅行に来れたから…浮かれてるの俺だけ?」
「ち、違う…私だって楽しみにしてたよ」
どんな服を着ていこうか、観光でどこを回るのか、そんなことを仕事中考えてワクワクしてた。
前日は遠足前の子どもの様に、なかなか寝付けなかったくらい。
「ただ…こういう場所で春人と過ごすの初めてだから、どう接したらいいか分からなかったの」
緊張してるのは当たってる。
男の人と旅行なんて初めてで、彼氏の部屋で2人きりになるのとは別の緊張感がある。
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