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甘い時間は2人きりで
第29章 2人きりの旅行

特産品を見ていると、ガラス越しに牛乳瓶が見えた。

「地元の牛乳を販売してるんやって。美味いらしいで」
「へー、買ってもいい?」
「俺が買ったげるよ」
「お風呂上がりに飲むなんて、銭湯みたい」
「ふふっ、言い方」

牛乳瓶で飲むのは久しぶりだな…
それを見ていて、ある事を思い出した。

「…春人、どっちが先に牛乳飲み干すか勝負しない?」
「勝負?」

小学校の頃は、牛乳の速飲み対決でいつも1位で、男子達にも勝っていた。
今でもたまに温泉施設に置いてある牛乳を飲んでも、結構速いし…

「…やったら、負けた方が勝った方の言う事1個聞くってのはどう?」
「いいよ」
「凄い自信やな」
「私結構飲むの速いよ?」

ふふふ、明日のお昼はちょっとお高めの料理を注文しちゃお!

「いくよ…スタート」

7割ほど飲んだところで、横目で春人を見ると…

「は、早っ!?もう飲んだの!?」
「うん」

横目で確認した時には既に飲み終わり、口を離していた。

「何で!?」
「何でって…俺も給食には牛乳瓶やったし、中学も給食やったからなー」




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