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甘い時間は2人きりで
第30章 春人の異変
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部屋を見渡すと散らかっておらず、ビール缶は見当たらない。
「ごめん、飲み物水しか無いんやけど…」
「気を遣わなくてもいいよ」
「うん…」
春人の表情は酷く沈んでいて、髪の毛もボサボサで、声もハリが無い…
こんな春人見た事無い…
ベッドに腰掛けると、春人は両手で顔を覆った。
「疲れてるなら無理しないで。ベッドに寝て?」
「…ごめん、隣に寝てくれへん?」
「えっ!?」
「お願い…」
縋るように手を掴まれ、ジッと見つめられる。
弱った春人を引き離せなくて、一緒にベッドに横になった。
胸に顔を埋めてくる彼を見て、いつもより春人が小さく感じた…
「どうして声が出なくなったの?」
「…ずっと誤魔化してその問題から逃げてたけど、もう誤魔化されやんようになってもうた…」
「そ、そんな…!」
もしかして、もう歌えなくなるの…!?
「げ、原因は…!?」
「喉にポリープが出来たんよ」
「ポリープ?」
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