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甘い時間は2人きりで
第30章 春人の異変

ポリープって、ボーカルの人がなりやすいアレ…?

「半年前に出来て、これまでは薬で抑えてたんやけどな…」
「それって治るんだよね?」
「うん、手術したらな。しばらく歌えやんようになるけど」

それを聞いて安心した。

「喉の調子が悪いのは知ってたけど、ポリープだなんて聞いてないよ…」
「ごめんな。茜さんに心配掛けたくなかったから」
「でも、教えて欲しかった…彼女なのに」
「ごめん」

モゾモゾと身体を動かすと、同じ目線で話してくれた。

「ホンマは3月に入ったら公表して休むつもりやったんや。でも、最悪の形で知られてもうたから…」

ポリープの話をしていた時はいつもと同じ顔だったのに、急に暗い顔に戻ってしまった。

「…ライブで声が出なくなった事で落ち込んでるの?」

私の言葉に春人は声を詰まらせた。

「…雷神は、ダイさんは俺にとって兄貴みたいな人なんや。上京してデビューしてからいつも世話してもらって、色んなバンドと知り合うキッカケを作ってくれたし、俺の悩みに真剣に答えてくれたんよ」




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