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甘い時間は2人きりで
第30章 春人の異変
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春人は静かに目を閉じて、しばらく黙り込んだ。
「…でも、『ライブ最悪やった』って言ってる人は居てたやろ?」
「ううん、私が見た限り1人も春人を悪く書いてる人は居なかった」
「でも違うとこでやったらボロクソに言われてるんやろうな」
普段の春人なら後ろ向きな発言なんてしないのに…
先輩のライブを台無しにしたことを悔やんでるんだな…
「春人…皆の反応が怖いからって篭ってちゃダメだよ。動いて。外には春人を待ってる人はいっぱい居るんだよ」
「……」
「スタッフさんやメンバー、Blue Eyesのファンの人…私も傍に居るから…」
前髪をかき上げて額に合わせると、春人は目を開けた。
「…ホンマはポリープの手術するのも怖いんや…自分の居場所が無くなってるんやないかって…」
「うん」
私の顔を捉えた瞳は潤んでいる。
「…もし手術して、戻ってきた時に皆待ってくれてるかな?」
「もちろん!ステージに立って、カッコよく歌う春人を見られるのを楽しみにしてるから」
「もし俺が挫けそうになったら、支えてくれる?」
「うん!」
「ありがとう…」
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