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甘い時間は2人きりで
第30章 春人の異変
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春人は私の手を掴んでソファまで連れて行かれると、もたれかかってきた。
皆の視線がこちらに集中してる…
「な、何?皆見てるんだけど…」
「昔話聞いて、ちょっとあの頃の事思い出してな…センチメンタルになったから…」
今では沢山のファンが居るBlue Eyesだけど、やっぱり結成当初は春人も葛藤してたんだろうな…
「ボーカルって難しかった?」
「まぁな。ユノフォースと対バンするまでは全然お客さん居らんかったし、自分の声に自己嫌悪したりして…人前には出さんかったけど、しんどかったわ…」
何となく重苦しい雰囲気に包まれた瞬間、「トコトン」と谷さんが練習用のドラムをリズミカルに鳴らした。
クールな谷さんがお茶目なことするなんて…
義「大事なライブ前にそんなショボくれた顔すんな。お客さんが心配するやろうが」
涼「そうやで。てか光ちゃん酷くない?俺の歌声貶して、万人受けしそうとかさー。俺やってボーカルやったんやからな」
光「別に貶してない。お前の声もええよ…でも、お前の声に似たミュージシャンはようけ居るし、俺はハルの方が良かったんや」
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