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甘い時間は2人きりで
第30章 春人の異変

「色んな人に気持ちを支えられて、今日皆の前に立つ事が出来ました、本当に感謝しか無いです。

『雷神のライブでポリープについて話すのはどうなんや』って思ってるかも知れやん。
まあ明日にはサイトに報告するつもりやけど、ここに来てくれた皆にはいち早く報告したかった。

これまで報告が遅れたのは、俺自身ファンに弱音吐いたりするカッコ悪いとこ見せたくなかったんすよ。
声出やんようになって落ち込んで、こんなカッコ悪いとこを見せるのはダサいんちゃうかって…

でも…今皆の前に立ってます。
…今日、ちょっと自分の殻を破って良いですか?

俺…皆にカッコ悪いとこ見せても良いっすか?」

シンと静まり返った客席から、ゆっくりと拍手が起こる。
それは段々大きくなり、会場に響き渡る。

「…俺、皆に甘えてもええかな?」

鳴り止まない拍手に、春人が目頭を押さえているように見えた。

「ありがとう…今日のライブが休止前の最後のライブになります。
手術する前の声を、しっかりと皆の耳に残していきたいと思います!今日はよろしく!!」




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