この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
甘い時間は2人きりで
第30章 春人の異変
箱を開けようとする春人に「ご飯の後で」と制止した。
早々とトマト鍋を平らげると、チョコの入った小箱に手を伸ばした。
どんだけ中身に興味があるの…?
「去年はブラウニーやったけど、今年は何かなー?」
「何でしょう?」
「お、これは…チョコパイ?」
「そうだよ」
メーカーから出てるケーキのやつじゃなくて、パイ生地にチョコを乗せて焼いたもの。
今年もスティック状にして、持ちやすくて食べやすいようにしてある。
今晩ご飯を終えたばかりなのに、春人はすぐにチョコパイを食べ始めた。
「いただきます」
「え、お腹いっぱいじゃないの!?」
「お菓子は別腹やって」
「それ女子が言うやつ」
すぐに1本目をたいらげたので、コーヒーを用意してあげた。
「これ美味いわー。茜さんも食べる?」
「私は味見の段階で食べたからいいよ」
「ホンマ?ありがとうな」
嬉しそうに食べてくれて、作った甲斐があった…