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甘い時間は2人きりで
第30章 春人の異変

箱を開けようとする春人に「ご飯の後で」と制止した。
早々とトマト鍋を平らげると、チョコの入った小箱に手を伸ばした。

どんだけ中身に興味があるの…?

「去年はブラウニーやったけど、今年は何かなー?」
「何でしょう?」
「お、これは…チョコパイ?」
「そうだよ」

メーカーから出てるケーキのやつじゃなくて、パイ生地にチョコを乗せて焼いたもの。
今年もスティック状にして、持ちやすくて食べやすいようにしてある。

今晩ご飯を終えたばかりなのに、春人はすぐにチョコパイを食べ始めた。

「いただきます」
「え、お腹いっぱいじゃないの!?」
「お菓子は別腹やって」
「それ女子が言うやつ」

すぐに1本目をたいらげたので、コーヒーを用意してあげた。

「これ美味いわー。茜さんも食べる?」
「私は味見の段階で食べたからいいよ」
「ホンマ?ありがとうな」

嬉しそうに食べてくれて、作った甲斐があった…



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