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花菱落つ
第5章 裏切り
 義信が悩み惑う間に「越後の龍」上杉謙信の不穏な動きが海津の高坂昌信からもたらされ、信玄は対上杉の戦の準備に取りかからねばならなくなった。そのおかげで駿府侵攻が日延べされ、義信は内心こっそり謙信に感謝した。

 上杉との戦を前にした戦勝祈願の神事で互い違いに歩みを進めながら舞う巫女を眺めながら、義信は思いついたことを腹心の飯富虎昌に告げた。

 ふとしたきっかけで思いついた事柄ではあったが、今川との戦を避けるためには一番良い手であるように思えた。
 義信は虎昌の他、長坂昌国、曽根昌世(まさただ)虎盛(とらもり)親子らを交えて何度も、しかし秘密理に策の成就に向けて話し合いの場を持った。

 この策は決して信玄に知られてはならなかった。万が一信玄に知られた時は全員ただでは済まされない。良くて甲斐からの追放だが、まず死罪となると思って間違いない。それほどの策だった。

 話し合いは義信の周囲に密かに配された信玄の手の者を警戒し、用心に用心を重ねたつもりだった。だが、策は思わぬところから漏れた。まさか、近しい者から漏れ出すとは思ってもいなかった。親子ですら信じられぬ世の中だ。ましてや兄弟ならば尚更だった。
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