この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
『コミックサイトで逢いましょう』―番外編―
第2章 【第二部】 kiss・きす・キッス!
やっとの思いで公園に辿り着いたときには、俺はもうクタクタだった。何の因果でヤツと公園なんかに行かなきゃいけないんだ。
こんな天気の良い休日に公園に行ったって、いるのは子供連れとカップルばかり。
男同士なんて殆ど居ない。
どう考えても俺たちは怪しいだろう。
ようやくベンチに腰を下ろした俺たちは、会話もなくぼんやり目の前に展開される春ののどかな風景を眺めていた。
疲労と悲壮感で、見るからにウンザリした顔付きをしている俺の機嫌を取るかのように耿輔が言う。
「アイスキャンディー喰うか?」
暫くして耿輔が手にしてきたのは、昔ながらの棒付きアイス。歩いてかなり汗を掻いていただけにタイムリーな差し入れだ。
冷たくて美味しい。運動した後の甘味はまた格別。
「美味いだろ?ここのアイスキャンディー人気あるんだって。仕事柄、女の子から色んな話聞くからサ。汗掻いたから尚更美味いだろ?」
まさかアイスを美味しく食べる為に、此処まで歩かせたわけじゃ無いだろうな?
だとしたら、余程の酔狂者か馬鹿だ。