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『コミックサイトで逢いましょう』―番外編―
第2章 【第二部】 kiss・きす・キッス!
穏やかな目の前の光景が、一転、霞んで見えてくる。嫌だな……。
覗き込まれたら、また何言われるか分かったものじゃない。
それっきり、黙って何も言わなくなった俺を気にしたのか、耿輔がちょっとだけ済まなそうにボソリと言う。
「…悪かったよ…買ってくりゃ良いんだろ、買ってくりゃ…。でも、ちゃんと待ってるか?」
そんなこと気にしてたのか。下らなねー。
暫く動きたくないって言うの。だから何処にも行きゃしねーよ。
「行かないよ、行けないだろ?これだけ疲れてて、行けって言われたって動きたくない」
自販機へと急ぐ耿輔の後ろ姿を目で追いながら、俺は再び此処にいる意味について考えていた。
(なんで、あんなヤツに付き合って折角の休みを棒に振ってるのかな、俺…)
最近特にきついバイトのシフトの合間に貰えた貴重な休日。
それを耿輔の買い物で一日潰してしまうなんて、どこまでお人好しなんだよ。