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『コミックサイトで逢いましょう』―番外編―
第2章 【第二部】 kiss・きす・キッス!
にしても…すべて承知で買い物に付き合った俺は、もしかしたら耿輔のことを特に意識していたのかもしれない。
本当のところはどうなのだろう。
成り行きだけではなくて、ホントにヤツのことを特別に思っているのか──
考えれば考えるほど自分の気持ちが解らなくなる。
でも…この買い物に誘われたとき、ホンのちょっぴり嬉しかったのは事実。
待っていた…?
どこかで、ヤツに仕事以外でまた会えるのを秘かに待ち望んでいた?
自分からは思う相手が出来ても、殆ど誘ったりしたことがない。そのくせ、相手から誘われると、照れくさくて断ったりしてきた俺なのに。
そんな俺がヤツの誘いに乗ったのは、相手が男だったから?
それは、あくまで表向きの言い訳だ。
だって、俺はヤツの思いが、友達としてのそれじゃ無いことを十分承知していたのだから。
にも拘わらずヤツの誘いを断らなかったのは、俺もヤツに惹かれていたから。